フリーランスとは?代表的な職種やなるまでに必要なことを詳しく解説
freeda 2021/04/02
2020年5月に内閣官房日本経済再生総合事務局によって行われた「フリーランス実態調査結果」の試算によるとフリーランスを本業として営む人は214万人、副業として営む人は248万人、合計462万人いることがわかりました。
この記事では増え続けるフリーランスとはどのようなものかからメリットまで詳しく解説します。
参考:内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」
フリーランスとは?
中世ヨーロッパでは戦争を行う際、傭兵団と契約して戦争に臨む文化がありましたが、その中に個人で契約して参戦する兵士がおり、その兵士たちをフリーランサーと呼んだためそれを語源としてフリーランスという言葉が生まれました。
現在では一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が2018年に発表した「フリーランス白書2018」の中で、フリーランスを「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」と位置づけています。
フリーランスには、企業や組織と雇用関係を持たずフルタイムでフリーランスとして働く「独立系フリーランス」と、企業と雇用関係を維持しながら隙間時間でフリーランスとして働く「副業系フリーランス」の2種類が存在します。
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2018」
フリーランス・個人事業主・自営業の違いについて
フリーランスとは何かを考える際によく混同されやすいのが個人事業主と自営業です。
まず自営業とは自ら事業を営む人のことで、自分1人で法人を設立して仕事をする場合、個人事業主として仕事をする場合両方が含まれます。
そして「法人」「個人事業主」とは税務上の区分で、個人事業主とは業種や規模に関わらず個人で事業を営み、所得を得ている人のことです。
これらに対してフリーランスとは働き方や契約方法を指す言葉で、案件単位の契約で仕事をする人を言います。
これらのことから自営業は個人事業主を含む言葉ですが、個人事業主とフリーランスでは示す内容が異なることがわかるでしょう。
例えば個人の飲食店の場合個人事業主ではありますが、案件ごとに契約をして仕事をしているわけではないのでフリーランスとは呼べません。
また副業でデザインの仕事をした場合収入を雑所得として計上するため、フリーランスとして仕事をしたことになりますが、個人事業主として仕事をしたことにはなりません。
自営業・個人事業主・フリーランスは同じだと誤解されがちですが、異なる内容を示す言葉なのを覚えておきましょう。
フリーランスに多い職種とは?
フリーランスに多い職種にはどのようなものがあるのでしょうか。
2つご紹介します。
クリエイティブ・Web・フォト系の職種
2020年にプロフェッショナル&パラレルキャリアフリーランス協会が発表した「フリーランス白書2020」によるとクリエイティブ・Web・フォト系の職種で働くフリーランスの人数は全フリーランス中最も多く、21.5%を占めることがわかりました。
具体的にはWebデザイナー、イラストレーター、YouTuber、グラフィックデザイナー、カメラマン・フォトグラファーなどがこの職種に分類されます。
クリエイティブ・Web・フォト系のフリーランスを必要とするエンタメ業界は、従来からフリーランスとして働く人が多いことと、外部への仕事発注に慣れていることからこのような結果につながったと言えるでしょう。
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2018」
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」
エンジニア・技術開発系の職種
「フリーランス白書2020」によるとエンジニア・技術開発系の職種で働くフリーランスの人数は全フリーランス中15%で、2番目に多いことがわかりました。
Webコーダー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャなどがこの職種に分類されます。
2021年に株式会社電通が発表した「2020年 日本の広告費」の結果によると2020年のインターネット広告費は2兆2,290億円となり、1996年以来一貫して増加を続けていることからも、企業はこれからも手軽で安価なWebでの集客に力を注ぐでしょう。
そのためさまざまなWebサイトやシステムを構築するエンジニア・技術開発系の職種で働くフリーランスへのニーズは今後も高まると予想されます。
フリーランスで働くメリット・デメリット
「フリーランス白書2020」によると、フリーランスという働き方への満足度を「非常に満足」とした人は27.3%、「満足」とした人が56.3%でした。
このように満足度の高いフリーランスという働き方のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」
フリーランスで働くメリット
フリーランスで働くメリットを2つご紹介します。
働く時間や場所が自由になる
フリーランスとして働く最大のメリットは、時間や場所を自由に選択して仕事ができるということでしょう。
通勤する必要はなく、納期さえ守れば休日や一日の時間の使い方も自由になるので、自己管理がきちんとできる方には最適な働き方と言えます。
好きなことや特技を仕事にできる
フリーランスは自分の好きなことや特技を仕事にできるのもメリットの1つです。
今まで本業として経験してきたことだけではなく、趣味程度で経験したことでもお金を稼ぐことができます。
例えばクラウドソーシングサイトでは、ファッション好きな女性にビデオ会議などでインタビューをしたいといった仕事の募集がかけられています。
この場合趣味でファッションブログを書いていたり、多少のモデル経験があったりするだけで応募可能な上、30分ほどクライアントに自分のファッションへのこだわりを質問に沿って説明するだけで収入が得られるということです。
フリーランスで働くデメリット
フリーランスで働くデメリットを2つご紹介します。
収入が安定するまでに時間がかかる
フリーランスとして独立しても、すぐにポートフォリオや実績が充実するわけではないので、安定した取引をしてくれるクライアントを見つけて継続受注をしてもらえるまでには時間がかかります。
そのため、企業に勤務していた時のような毎月決まった額の収入は得られないのがデメリットだと言えるでしょう。
確定申告をする必要がある
フリーランスは企業と雇用契約を結んで働いているわけではないので、税金を納めるには確定申告を行う必要があります。
普段からお金の出入りを把握するのは手間がかかりますが、紙ベースではなくネットで完結させることも可能なので自分に合った形で申告しましょう。
フリーランスになる前の準備について
フリーランスになる前の準備として行っておいた方が良いことを5つご紹介します。
健康保険と年金の切り替え
今まで企業に勤務していた人は会社の健康保険と厚生年金に加入していますが、健康保険は退職後2年間の任意継続とするか国民健康保険に切り替えるかを選択し、厚生年金は国民年金への切り替えが必要です。
会社の健康保険の任意継続は、被保険者の期間が会社の退職日までに継続して2か月以上あり、退職日から20日以内に申請した場合に継続可能となるので、条件を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。
スキルを磨く
フリーランスとして働く場合副業では趣味程度で経験したことでも収入は得られますが、本業として取り組む分野については他のフリーランスとの差別化ができるスキルを磨いておくことが大切だと言えます。
必要であれば資格取得や、専門の学校に通うなどして企業での経験だけでは得られない知識をつけるのもよいでしょう。
クライアントが、大勢のフリーランスの中から選んで仕事を依頼したいと思うようなスキルを身に着けておくのがポイントです。
まずは副業から取り組む
フリーランスとして独立する前に、まずは副業として小さな仕事から開始し、実績を積んでおくのも大切なことです。
フリーランスとして生活できるだけの収入を得るには、同じ分野で似たようなスキルを持つ人たちの中から選ばれてその仕事に採用される必要がありますが、クライアントは実績のない人に仕事を任せてはくれません。
副業として仕事をしている間に少しずつ自分のアピールポイントや、どんなスキルで問題解決につなげたかなどを整理しておくのも重要だと言えます。
人脈を作る
フリーランスは知り合いから仕事を受注する場合が多いですが、クラウドソーシングサイトやエージェントには積極的に登録し、窓口を増やす努力をしておきましょう。
例えばクラウドソーシングサイトで企業から依頼を受けた場合、仕事ぶりが気に入られれば別のプロジェクトマネージャが仕切る案件の紹介があったり、他のフリーランスの人が体調を崩した際の穴埋めとして仕事を依頼されたりといったことがよくあるのです。
定期的な受注が増えるほど生活は安定していくので、準備段階でも人脈はなるべく幅広く作っておきましょう。
営業力をつける
フリーランスは自分自身でクライアントに売り込みをかけなければ仕事を得ることはできません。
そのため企業に在籍しているうちに、意識的に営業力やコミュニケーション能力を高めておくのはとても重要なことです。
どれだけスキルが高くても、印象の良くないアピールをしたり、仕事で必要なコミュニケーションが取りにくかったりするフリーランスにクライアントは仕事の依頼をかけません。
スムーズに仕事を受注し、気持ちよく取引を続けていくためにも営業力をつける努力は欠かさないようにしましょう。
まとめ
フリーランスとは特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人のことで、時間やお金の自由を手に入れられたり、好きなことや特技を仕事にできたりとメリットの多い働き方であることがわかりました。
この記事も参考にして、ぜひフリーランスへの第一歩を踏み出してみてください。